令和5年第2回定例会 一般質問(米川大二郎) – 東京都議会
都政運営
質問1
ミライ会議の米川大二郎です。
今定例会に、都政改革のさらなる推進に向けた知事の決意及び姿勢を明らかにするため、知事の給料等について特例措置を延長する条例案が提出されています。
まず、知事の給料等の五〇%削減の根拠についてです。
東京都知事の年間収入について、東京都特別職報酬等審議会は二千九百四十五万五千六百八円が適切であると答申しています。三分の二や三分の一ではなく、なぜ五〇%にしたのか、知事に伺います。
答弁1
総務局長
知事の給与減額措置についてでございますが、これは、知事自身の都政改革に向けた決意と姿勢を明らかにするための措置でございます。
質問2
小池知事は、四年任期終了時に退職金三千四百九十四万四千円を受け取られました。大阪府知事も名古屋市長も退職金はゼロ円です。退職金をゼロ円にしなかった理由を知事に伺います。
答弁2
総務局長
知事の退職手当についてのご質問ですが、今回の条例改正は、知事自身の政治姿勢に基づいて、毎月の給与とボーナスを減額するものでございます。
質問3
知事の附属機関である特別職報酬等審議会からの答申、意見を聞いて、知事が条例を議会に提出します。知事が、知事の給料等は千四百七十二万七千八百四円が妥当だと判断するなら、特例措置条例ではなく、本則として、東京都知事等の給料等に関する条例の改正案として提案すべきです。知事の見解を伺います。
答弁3
総務局長
知事等の給料等に関する条例についてでございますが、知事等特別職の本来の給与水準につきましては、その職務と責任への対応や社会経済情勢等を勘案の上、特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、条例で定めております。
給与の減額を行う場合、特例条例を定めてございます。
質問4
次に、条例提案理由についてです。
都政改革のさらなる推進に向けた知事の決意及び姿勢を示すのが条例改正の理由です。公開すべきものは公開しているとの弁解によって、ノリ弁が横行している現状において、知事の東京大改革の一丁目一番地の情報公開とは何か伺います。
答弁4
総務局長
情報公開についてでございますが、都はこれまで、公文書開示における原則開示の徹底や公文書情報公開システムの開始、ホームページを通じた情報提供の大幅な拡大、開示手数料の見直しなどを実施してまいりました。
引き続き情報公開の取組を進めてまいります。
質問5
改革の決意と姿勢は、副知事、教育長を含む都職員にも求めるべきです。
例えば、都立学校図書館では、正規、非正規の職員が同じ仕事を行っています。現役の都職員の正規職員と非正規職員の格差を、常勤職員との格差を前提とした均衡として放置するのではなく、非正規職員と正規職員は同一労働同一賃金、社会保険を含めて労働時間だけが異なる仕組みにして、格差是正の改革をすべきです。知事の見解を伺います。
答弁5
総務局長
非常勤職員についてでございますが、非常勤職員の報酬の額は、法律等に基づき、職員の職務の複雑性、困難性等に応じ、常勤職員の給与との均衡を考慮し、適切に定めてございます。
なお、令和二年度から、会計年度任用職員には、在職期間等に応じ、常勤職員と同じ月数分の期末手当を支給してございます。
質問6
天下りはやめるべきです。都庁官僚OBの年収を保証する天下りを条例で制度化しているのは、東京に本社があるがゆえに法人二税の税収が多い東京都だけです。ほかの自治体にはありません。
天下りを推進することがワイズスペンディングになる理由を知事に伺います。
答弁6
総務局長
退職管理条例についてでございますが、都を退職した職員がこれまで培ってきた知識、経験、能力を社会に還元することは有意義でございます。
そうしたことから、退職管理条例に基づき、外部有識者で構成する退職管理委員会への諮問を経た上で、適材推薦団体への職員の推薦や営利企業等からの求人申込みに対する人材情報の提供を行ってございます。
今後とも、退職管理につきましては厳格な運用を図ってまいります。
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少子化対策
質問1
次に、知事の少子化対策についてです。
小池知事の所得制限なし、月五千円の手当支給の〇一八事業に触発され、国の少子化対策では、所得制限なしの一万から一万五千円の児童手当が実施されそうです。
民主党政権の子供手当に反対された小池知事は、国や他の道府県には財源がなく、社会保障水準の引下げや扶養控除の廃止、国債、社会保険料への上乗せ、増税の国民負担の議論になることを認識されていたはずです。知事には国の議論に対しても責任の一端があります。
都知事選挙の二〇二四年の正月に六万円のお年玉を配るだけのばらまき政策としないためにも、知事は全国最低の出生率を改善するための東京都持続可能な少子化総合政策を策定し、〇一八事業の効果も示すべきです。知事の見解を伺います。
答弁1
子供政策連携室長
少子化対策の推進についてでございますが、少子化の要因は複合的で多岐にわたることから、都は、今年度予算において、〇一八サポートなどの経済的支援のみならず、結婚支援や子育てサービスの拡充、就労支援の充実、職場環境整備の推進など、ライフステージを通じた幅広い対策を講じております。
こうした取組をスピード感を持って進めるとともに、専門家から長期的な視点も踏まえた分析をいただき、検証を行う仕組みの導入を検討するなど考察を深め、対策の充実につなげていくこととしております。
質問2
また、国に対しても、財源を含めて少子化対策を提案すべきです。知事の見解を伺います。
答弁2
子供政策連携室長
少子化対策に関する国への提案についてでございますが、少子化は日本社会の存立基盤を揺るがす重大な危機であり、本来、国策として取り組むべき課題であります。
そのため、先月開催された関東地方知事会議において、都の提案により、国に対し、少子化対策の充実や迅速な対応を求める提案、要望を取りまとめたところであり、引き続き様々な機会を通じて、実効性ある対策の推進を求めてまいります。
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教育政策
質問1
次に、公教育についてです。
教員など学校関係者の指導が原因で、学校管理下にない場所で児童生徒が自殺する指導死は、いじめ防止対策推進法も学校保健安全法も適用されず、文部科学省の行政指導があるだけで、法律の空白領域となっています。
国がやらないなら都が率先すると意気込んで〇一八事業を実施する一方で、知事は、子供の命に関わる指導死は、法律がないから都はやらないと放置しています。お金より命が大切です。優先順位は明確です。私立学校を含め、法の空白を理由にして子供の指導死を放置してよいはずはありません。
知事は、子供の指導死について、法律がないからこそ都が率先して行政指導や条例を制定し、指導死に積極的に対処すべきです。知事の見解を伺います。
答弁1
生活文化スポーツ局長
子供の自死への対処についてでありますが、児童生徒の自死事案が発生した際は、国の指針に基づき、事実関係や死亡に至る過程等の背景をできる限り明らかにするため調査を行うことが、学校の責任として定められております。
都は、私立学校に国の基準、通知等を周知し、自死発生時には迅速な報告を求め、指針に基づく手続を学校が着実に実施するよう指導しております。
さらに、学校や保護者からの意見等は丁寧に聞き取り、助言するとともに、保護者等からの意見については学校に情報提供を行うなど、適切に対応しております。
質問2
次に、世界にはインドなまり、オーストラリアなまりなど、多様な英語があります。
子供たちの英語を話す技能を伸ばすには、中学生がタブレットに話しかけ、特定の英語の発音やイントネーションを採点基準とする、重箱の隅をつつくような中学校英語スピーキングテストはやめて、日本語なまりの英語でも、英語でコミュニケーションをする意欲と技能を向上させるテストをすべきです。国際経験豊富な知事の見解を伺います。
答弁2
教育長
スピーキングテストの実施についてでございますが、スピーキングテストでは、英語を話す自然な状況や場面において、伝えるべき内容を表現できているかを見るコミュニケーションの達成度、語彙や表現の使い方や論理構成等を見る言語使用及び発音イントネーションを見る音声の三つの観点に基づき、生徒の多様な解答を積極的に評価しています。
指導の充実を図るとともに、生徒の学ぶ意欲を向上させることを目的としたスピーキングテストを、都内の公立中学校の三年生に加え、今年度から対象を一、二年生にも拡大し、使える英語力の育成を進めてまいります。
質問3
知事は、英語は社会インフラといわれますが、日常会話は英語翻訳ソフトで十分です。他方で、将来、英語を駆使しての仕事を希望する生徒には、公立学校、私立学校を問わず、それにふさわしい公教育を提供すべきです。知事の見解を伺います。
答弁3
教育長
グローバル人材の育成についてでございますが、学校教育においては、英語力を高め、国際社会を牽引できる人材を育成していくことが求められています。
都教育委員会は、令和四年三月に、都内公立学校におけるグローバル人材育成に関する指針を策定いたしました。この指針に基づき、英語をツールとして使いこなし、世界の中の一員としての自覚や多文化共生の精神を備え、世界を視野に新しい時代を切り開くグローバル人材の育成に向け、小中高校の一貫した取組を推進しております。
質問4
学校や教育庁の指導部など特定の職場経験しかない教員村の管理職員ではなく、グローバル人材育成には、都教育庁グローバル人材育成部や学校教育の指導を行う部署、さらに、私立学校を所管する部署についても、国際的な経験や知見を持った管理職員を配置すべきです。知事の見解を伺います。
答弁4
総務局長
幹部人事でございますが、人事異動は、その時々の行政課題に迅速かつ的確に対応できるよう、職員の能力、実績を踏まえて実施してございます。
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東京2020大会
質問1
次に、東京二〇二〇大会と神宮外苑再開発についてです。
二〇二三年六月公表の東京二〇二〇大会組織委員会への監査報告書は、書かれている項目ではなく、書かれなかった項目こそが核心です。
なぜ、マーケティング収入は項目に挙げ、支出総額六千四百四億円のうち千二百九十九億円を占めるマーケティング支出、特に千七十七億円の収入連動経費の内訳や、その支出の適正さに対して監査しなかったのか伺います。
答弁1
監査事務局長
組織委員会への財政援助団体等監査についてでございますが、監査の実施に当たりましては、組織委員会の活動全般について、収入確保の取組や予算執行管理が適切に行われていたかなどの着眼点を設定した上で、関係書類の提出を求め、実地監査を行い、報告書を取りまとめてございます。
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神宮外苑
質問1
次に、神宮外苑再開発は、二〇一〇年十二月、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一ではスポーツクラスター、二〇一五年の四月の神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書ではスポーツクラスターと魅力ある複合市街地、そして、小池知事のイニシアチブで、二〇二二年三月、神宮外苑地区地区計画の変更で、スポーツクラスターとは名ばかりの三井不動産のミッドタウンや、ららぽーとのようなイベント施設とオフィス、商業ビル開発に変貌しました。小池知事が、神宮外苑開発をスポーツクラスターからイベント施設とオフィス、商業ビル開発に変化させた理由を伺います。
答弁1
都市整備局長
神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成についてでございます。
今回の再開発は、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、都が変化させたとのご指摘は当たりません。
なお、神宮外苑は心身鍛錬の場として造営されたものであり、創建時から野球場や競技場など多くのスポーツ施設が設けられ、国民や競技者がスポーツに親しんできた場所でございます。
そのような歴史も踏まえ、平成二十三年十二月に策定した都の長期計画において、スポーツクラスターとして集客力の高い、にぎわいと活力のあるまちの再生が方向づけられたものでございます。
質問2
ラグビーのビッグイベントは新国立競技場で行われます。二〇二二年八月のJSC新秩父宮ラグビー場(仮称)は、四百十一億円の運営権対価を見込むイベント施設であり、三井不動産のほか、読売新聞、日本テレビ、フジサンケイグループのニッポン放送、エイベックスなどのマスメディアが参画しており、秩父宮ラグビー場の名前も消えてしまうかもしれません。
小池知事は、マスメディアを取り込むために、神宮外苑再開発をイベント施設のための再開発へと変質させたのではないのか伺います。
答弁2
都市整備局長
新秩父宮ラグビー場についてでございます。
その整備、運営事業者については、日本スポーツ振興センターが公募、選定しており、東京都がイベント施設のための再開発へと変質させたとのご指摘は誤りでございます。
質問3
百年後、二一二〇年の日本の人口は四千九百七十三万人、明治神宮外苑が造られた約百年前の一九二六年の約六千万人を下回ると推計されています。
人口減少社会の次の百年を見据えた神宮外苑は、建築物やイベント施設を密集させるのではなく、明治天皇、皇太后の遺徳をしのんで、人々がゆったりと過ごす場として創建された奉賛会の方々の志を受け継ぎ、都が明治神宮などと協議して、浜離宮恩賜庭園に準じた公園として管理し、近代日本の歴史的財産としてその価値を増進し、東京を世界に発信する場として再開発するべきです。知事の見解を伺います。
答弁3
都市整備局長
神宮外苑地区の再開発についてでございます。
今回の再開発は、神宮外苑の歴史や文化を適切に継承しながら、にぎわいあふれる緑豊かなスポーツの拠点としてさらに発展させていくため、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。
事業者からは、政教分離の原則も踏まえ、内苑、外苑を合わせた明治神宮を将来にわたって護持していくために、守るべきものを守り、必要な更新は行い、次の百年に向けて、外苑をより開かれ、親しまれるものにしていくとの考えが示されております。
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コロナ対策
質問1
最後に、コロナ対策についてです。
都は、豊富な財政に裏打ちされて、多額の資金をコロナ対策に投入しましたが、無駄や不正も指摘されています。
コロナが五類となった現在、幅広い専門家から成る検証委員会を設置し、都のコロナ施策を検証し、法改正の提言など、今後の教訓を引き出す必要があります。
知事の見解を伺い、私の一般質問を終わります。
答弁1
総務局長
コロナ対策についてでございますが、都はこれまで、新型コロナ対策に取り組む中で、得られた知見を次の対策に生かし、東京モデルを確立させてまいりました。
今後とも、これまで培った経験と知見を生かし、専門家の意見も踏まえつつ、適切に対応してまいります。
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